韓国定番野菜「えごまの葉」の基礎知識と植えてみた話。
「えごまの葉」はご存じですか?
サムギョプサルやテジカルビなど韓国焼肉を食べるとき、包み野菜のなかに「しそ」のような形をしたギザギザの葉が入っていることがあます。
これが「えごまの葉」です。
韓国ではアイドルまでもが参戦する「えごまの葉論争」が勃発するほど国民になじみ深い野菜です。
今回はその「えごまの葉」についてです。
「えごまの葉」を植えてみたのでその話もします。
えごまの葉ってどんな野菜?
エゴマの葉は韓国語ではケンニプといいます。
日本ではシソ科の植物で、しそを食べない韓国ではミント科の植物です。
「しそ」とは同じ科の植物なので親戚ですが、名前が似ている「ごま」とは全く違う植物です。(ごまはごま科の植物です)
えごまは「葉」も「実」も余すことなく食べれる野菜です。
今回は「えごまの葉」として紹介していますが、「実」もごまのようにふりかけて食べたり、油を採ったりと万能です。
ちなみに、最近では韓国料理が人気なので「えごまの葉」もスーパーでも見られるようになりましたが、日本で「えごま」といえば主に「実」や「油」が売られていました。
東北では古くから雑穀として栽培されていて、あえものやご飯にかけたり様々な食べ方で親しまれてきたようです。
一方、韓国ではえごまは「葉」がよく食べられます。焼肉の包み野菜として食べるのはもちろん、キムチや醤油にしてご飯のお供にもなります。
もちろん、「実」もごまのように食べたりします。スンデと愛称がいいのか、炒め物に入っていたり、クッパに入れたりして食べたことがあります。
えごまの葉の栄養素
えごま油は健康・美容効果が期待できるといわれ、日本でも注目の食品です。
特にオメガ3系脂肪酸であるαーリノレン酸が多く含まれているので、血流の改善や血圧・コレステロール値を抑えたり、脳への必要な栄養になったりするといわれています。
さて、「えごまの葉」にはどうでしょうか。
αーリノレン酸が含まると書かれた記事もありましたが、主に下記の5つの栄養素が多いようです。
- βーカロテン(免疫力向上・生活習慣病予防効果が期待できる)
- ビタミンC(美肌効果が期待できる)
- ビタミンE(冷え性改善が期待できる)
- 鉄(貧血予防が期待できる)
- カルシウム(骨粗しょう症予防効果が期待できる)
「葉」にも栄養価がたくさんあります。おいしいだけでなく、栄養価も高いのはうれしいですよね。
えごまの葉論争って何?
数年前にBTSがyoutubeで「えごまの葉」について語っていたのが有名だそうですが、韓国人の中で、「えごまの葉の漬物」を食べる際の振る舞いが許せるか許せないかで論争になっている話です。
「えごまの葉」の漬物は何枚も重ねて漬けられているので、一番上の1枚を取ろうとすると別のものが付いてくることがしばしあります。
カップルで食べていると、一人がえごまの葉を取ろうとしているとき、もう一人が自分の箸で下の葉を押さえて手伝うことがあります。
カップルや近しい友人ならあり得ますよね。
しかし、これがダブルデートで、友人の彼氏彼女が自分のパートナーが取るのを手伝ったとしたら。これを許せますか?というので意見が分かれます。
皆さんはどうですか?
自分のパートナーが友人のパートナーを手伝っているのを見たらモヤっとしますか?
私の夫はだれかれ構わず助けてしまうタイプの人間です。
昔は夫の振る舞いにモヤモヤしていたのですが、韓国の方が誰かのお皿に食べ物を乗せるのは親切心だみたいなことを聞いてからは、「誰かが食べているのを手伝うのは韓国人の特性では?」と思ってから(気づいてから?)はモヤモヤしなくなりました。
でも、韓国人同士でも論争になる話なら考えも変わる気もします。笑
エゴマの葉の食べ方
包み野菜として食べる
日本でもよく目にする食べ方ではないでしょうか。
サムギョプサルやテジカルビなどの韓国焼肉やポッサムといった肉料理と一緒に食べます。
サンチュのようにお肉を包んで、サムジャンなどの調味料やナムルを一緒に巻きます。
人によってはサンチュとケンニプ(えごまの葉)を二重にして、お肉を巻いて食べる人もいます。
「えごまの葉」は香りが強いので、薬味のような役割をしてくれます。
醤油漬けにして食べる
ニンニクやショウガなどが入った醤油の漬けダレにえごまの葉を漬け込んだもの。
ご飯に巻いて食べるのですが、ご飯がどんどん進む1品です。
唐辛子が入った辛い物ありますが、辛みの少ないものもあります。
韓国では「えごまの葉」はどこのスーパーでも束で売られていて、各家庭でこの醤油漬けを作るようです。
義理の実家でも義母がたくさん漬けていて、韓国へ遊びに行くと食べさせてくれます。
夫も義母から「何か必要なものはないか?」といわれると、いつも「ケンニプの醤油漬け」をお願いしています。
キムチも各家庭で味が異なるといわれますが、こちらも味が違うようで、韓国人にとって「おふくろの味」といったとこでしょうか。
↓こちらは缶詰にされているので、食べたいときに食べれて便利な商品。
夫も義母が作ったケンニプの醤油漬けがなくなるとこの缶詰を買っています。
キムチなどの辛い物が苦手な方でも食べられると思います。
炒め物に入れて食べる
「ペクスンデ」といわれるスンデの炒め物があるのですが、その炒め物には「えごまの葉」も「実」も入っています。
ほかにはタッカルビやトッポギにも入れることもあります。
しそに似ているので、炒め物に入れると香りがよくアクセントになります。
パクチーなどの香味野菜が好きな方には、炒めものにえごまの葉を入れるのをお勧めします。
揚げ物やジョン(チヂミ)にして食べる
しその葉を天ぷらにて食べるとおいしいですが、えごまの葉も天ぷらにすると美味しいです。
また、日本でも馴染み深いチヂミですが、韓国ではジョンといわれ、野菜などに衣をつけて焼いて食べます。
(チヂミは韓国南部の方言で、チヂミのような料理はジョンといいます)
えごまの葉も韓国流の衣をつけてジョンにすると美味しいです。
エゴマの葉を植えてみた話
最近では、日本のスーパーでも「えごまの葉」を目にしますが、数年前まであまり見かけませんでした。
でも、うちの夫は「えごまの葉」が大好物なので、日本で見つけられないことを嘆いていました。
そんなとき、えごまを植えてみよう!と話が出たのですが、子育てに忙しく忘れてしまいました。
しかし、先日旅行先でえごまの葉の種を見つけて、「これ植えたい!」と再び植えたい熱が戻ってきたので今年は植えてみることにしました。
実はえごまの種まきの時期は5月~6月がベストシーズンです。
少し遅めなので無事に育つか心配ですが、育ててみようと思います。
ゴマよりも真ん丸な種です。
いろいろと調べてみたのですが、簡単そうなのを試してみます。
土を不織布プランターに入れて、浅く穴をあけ、1つの穴に7・8粒ずつ種を入れて、軽く土をかぶせました。
このやり方が正しいのかわかりませんが、やってみます。
えごまは日陰でも育ちやすい植物だそうです。
園芸初心者の私でもできるでしょうか…
夏ごろには食べれたらいいなと期待しながら待ってみます。
あとがき
実はえごまの葉を初めて食べたとき「ん~苦手かも・・・」と思いました。
サンチュのような葉野菜に比べると少し固めで、香りも独特だったので苦手だと感じました。
でも、何度も食べているうちに、クセになる味だな。と思うようになり、今では韓国焼肉を食べるときは「えごまの葉」がなきゃ!となっています。
もしかすると、生のえごまの葉は苦手だと感じるかと思いますが、醤油漬けだと驚くほど食べやすくなっているので、食べれるかと思います。
ぜひ、醤油漬けから試してみてください。